Ikove

ああ深緑色の霧が晴れてゆくその狹間を
記憶のしじまから見慣れぬ光が降りて來る
あの果てにある
青を僕らは知る
この雙眸で今捉まえてる
知ろうともせずに見ないままで閉じ込めて
しかしそれは今
ここに確かに在る青い空と光彩(いろ) 受け止めて

ああ掻き曇り空を切り分けるように瑠璃の虛空

ただ二人だけ

そばで息づく君と
一足の揺らぎを噛み締め歩いた
支える手で君を
ただ思う

たった一つ燃える低い太陽光行く先を指し示し
たぐりよせた記憶父と母のあたたかな思い抱き

また歩くただ二人だけで