月は無慈悲な白き玉座
みとせのりこ
月は無慈悲な白き玉座 歌詞
藍碧(らんべき)の夜天(そら)
注ぐ
淡き月光(つきかげ)が紗した夜の窓辺
映(う)かぶは繊細(ほそ)く
皓(しろ)き橫顔
凍える夜露は
穢れなき水晶を纏わせる
夜を統べる銀の冠(かぶり)
神に依りて授かりしもの
気貴きその瞳はただ
満ちて耀(かがや)ける綺羅の如
月は靜謐(しず)かなその
まなざしで
冷たい闇の垂帳(とばり)を投げかけるの
私は聲もなく
立ち盡くした
ただ瞳閉じるだけ
幻惑の淵
天に架かる美しき瞳を厭かず見上げ
のばした指は空を徬徨い
希(ねが)いは遠く
どんなに嘆こうとも屆かない
尊きその才と叡智
白き君と讃(うた)われしもの
この身を刺す悲しみさえ
禦身耀かす糧となれ
月は凍てつくその
微笑みで
冷たいアイの言葉を繰り返すの
私は夜の底
跪いた
ただ月が照らすだけ
月は慈悲なきその
微光(ひかり)以て
無情の真実だけを與え給う
私はひとりきり
立ち盡くし
ただ涙流すだけ